赤ちゃんを病院で上手に撮る
とうとう待望の赤ちゃんが生まれました。
おめでとう!
そして家族みなさん、どうもおつかれさまでした。
やはり赤ちゃんが生まれる、というのはとても大変なこと。
慣れないことばかりで、ココロをすり減らすことも多いのですよね。
さて今回はそんな生まれてすぐの赤ちゃんを撮ってみましょう。
ロケーションは病院、つまり生まれてすぐ、誕生から数日間の間の赤ちゃんの撮影方法についての話です。
でも生まれてすぐのときは赤ちゃんもママもとても疲れているものです。
心身ともにボロボロ・・というのが普通。
お見舞いに行く場合は細心の注意を払い、長居をしないようにしてくださいね。
家族の場合はまだいいですが、友人やそれほど親しい相手ではない場合は「行かない勇気」も時には必要です。
ママは化粧はもちろん、お風呂にも入れない状況だということをお忘れなく。
撮影に行く場合は出産当日から数えて3日目以降がいいかもしれません。
それでは赤ちゃんを病院で上手にハートフルに撮影するためのポイントをご紹介します。
赤ちゃんのアップ
まず最初に赤ちゃんの撮影でぜひ押さえておきたいのは赤ちゃんのアップ。
とはいえ出産さん直後の赤ちゃんはずっと寝ているのが普通。
病院に行っても、ずっと寝顔しか見られない、撮れない、ということもよくあります。
目を開けて~!
なんて思うけれど、これがなかなか難しい。
でも思い通りに行かないことなんて、これからは日常です。
「目を開けた様子が見られない」というのもそれで素敵な思い出。
目をつぶっている赤ちゃんだってちゃんとハートフルです。
びっくりさせないように、そっとやさしく写真を撮りましょう。
ママと一緒に撮る
赤ちゃんのハートフルな写真を残すには、なんといってもママと一緒、家族と一緒の写真がいちばん。
ママが抱っこしている姿、ママと一緒のところをぜひ撮ってください。
赤ちゃんと一緒にいる姿は何枚あってもいいものです。
無事に生まれて良かったね。どうもおつかれさま。
生まれてすぐの赤ちゃんはもちろん首もグラグラですから、なかなか抱っこもむずかしい。
座っているよりも立っているほうが撮りやすいです。
おめでとう、無事に生まれてきてくれてありがとう。
そんな気持ちを込めて、赤ちゃんとママの写真を撮りましょう。
そのときにママと赤ちゃんについて話をしながら撮影するのがポイント。
髪の毛多いんだね(笑)とか、目元がママに似ているよね、とか、名前決まった?とか、なんでもいいんです。
赤ちゃんの話題を話して、ママの気持ちが赤ちゃんに向いたところで、そっと写真を撮る。
ママが自分で撮る場合は、もしできれば三脚、なければ棚などにカメラを置いてセルフタイマーで撮影してもいいです。
ただし、病院では写真に撮られるのが嫌なママもいます。
せっかくなんだから…と思う気持ちもわかりますが、ママの気持ちを最大限尊重することが大切です。
家族と一緒に撮る
ママだけではなく、他の家族と一緒に赤ちゃんを撮影しましょう。もちろんカメラ目線である必要はありません。
赤ちゃんとその家族が交流している様子をやさしくパチリ。
ママの場合と同じで、赤ちゃんについて話をしながら撮るとよりハートフルな写真になります。
全身写真
撮れそうで撮れないが赤ちゃんの全身写真。
生まれたての赤ちゃんはとっても小さくて、その小ささを写真に残せたらとても素敵です。
たまたまベッドに置いている瞬間に出会ったら、ぜひ全身写真を撮ってみてください。
ピントは目に合わせる
通常の人物撮影と同様、ピントは目にあわせます。
基本的には近い方の目、迷ったら何枚か撮っておいてもいいかもしれませんね。
赤ちゃんに話しかける
赤ちゃんをハートフルに撮る上で大切なことは、赤ちゃんと話をしながら撮る、ということ。
僕自身も友人ママのお見舞いに産院に行って赤ちゃんの写真を撮ったり、もちろん自分の子どもたちもたくさん写真に撮りましたが、やっぱり声をかけると違いがあります。
赤ちゃんだってひとりの人間。
声をかけると、気持ちがこもります。
「かわいいね」
「無事に生まれておめでとう」
「この世はどう?」
「幸せな人生を送るんだよ」
なんでもいいんです。
もちろん赤ちゃんにそんなことを言っても無駄だなんてことは百も承知です。
でもやっぱり相手は人間なんだから、声をかけてあげたい。
もちろんママにも声をかけて、どんな出産だったか、また産みたい?なんて聞いてみましょう。
ちょっと触ってみたり、抱っこしてみたり、そんなこともしてみるといいと思います。
首のすらわない赤ちゃんの抱っこって最初はけっこう怖いんですよね。どう扱えばいいのかわからない、なんだか壊れてしまいそう。泣かれたらどうしよう・・。
でもその小ささ、頼りなさ、それがまた愛おしい。
・・赤ちゃんに話しかける。
そしてちょっと落ち着いたところでそっとシャッターを押す。
それが自分の子であれ、友達の子であれ、赤ちゃんの誕生に立ち会える…というのはとても素敵なこと。
写真撮らせてくれてどうもありがとう。
そんな気持ちを持って、赤ちゃんに声をかけて写真を撮ってみてください。
ストロボは使わない
赤ちゃんの撮影ではストロボは使わないのが原則です。
理由はふたつあって、ひとつはストロボを直接当てる撮影では、影ができたり、光が固くなってしまい、赤ちゃんの撮影にはいい結果にならない、ということが挙げられます。
もうひとつは「赤ちゃんの目にはストロボは良くない」と一般的に言われていること。
産婦人科の先生に聞いたところ、それほど気にする必要は無い・・と言われたこともありますが、でも一般的にそう言われているのであれば使わないほうが安全です。
撮影モード「絞り優先」、露出補正はプラス方向へ
一眼レフやミラーレスなどで撮影する場合、撮影モードは「絞り優先」がオススメです。
絞りはやや小さい値にして、ふんわりした感じを出しましょう。
この写真ではF1.4に設定しました。
露出補正は少しプラスにして、やらわかさを表現します。
作例1では+2/3に設定しました。
照明については部屋の自然光で大丈夫です。
ストロボは使ってはいけません。
夜など屋外が暗い時間の撮影では、色が変な緑色っぽくなったり、画面の一部が暗くなったりする場合があります。
これは照明器具によって発生するフリッカー現象というもので、シャッター速度に関係があり、注意が必要です。
手と足を撮る
気持ちに余裕がでてきたら、手や足などのパーツ単体もぜひ撮ってみましょう。
赤ちゃんの手って小さいですよね。
びっくりするほど手が小さくて。でもきちんと爪はついていて、きちんと「手」だったりする。
そしてにぎった手は意外なほど力があったり。
・・そんな驚きを感じながら、撮影してみては?
手を撮影するときは、大人の手を一緒に入れると小ささが強調されて素敵です。
赤ちゃんって大人の指を手に握らせると、ギュッと握り返してきます。そんなこともぜひ試してみてください。
とはいえ一番大切なことは・・
とはいえ、病院の撮影で一番大切なことを最後にご紹介します。
それは撮影に熱中しすぎない、ということです。
病院はあくまでも赤ちゃんとママのための場所。そして家族が新しい命と時間を過ごす場所。
撮影も大事ですが、赤ちゃん、そしてママと過ごす時間を大切にしてください。
まとめ
赤ちゃんを病院で上手に撮る
ハートフルフォトレッスン、今回ポイント
病院では・・
・アップや全身、手足などいろいろ撮ってみる
・赤ちゃんに声をかける
・ママや家族と一緒に撮る
そして
・撮影に熱中しなぎない
赤ちゃんの病院での撮影のポイント、いかがでしたか。
最後にも書きましたがとうとう生まれた!という気持ちの高揚からついつい写真を撮る方に一生懸命になってしまいがち。でもそればっかりにならず、生まれたての赤ちゃんの様子をしっかり見て、ママとコミュニケーションして、貴重な時間を大切に過ごしてくださいね。
この記事を書いたのは、
ハートフルフォトフォトグラファー五十嵐豊です。